宇都宮けんじ氏回答

質問1
 私たちは東京電力の原子力発電所再稼働の是非をはじめとして、都及び都民全体に重大な影響を及ぼす重要な事項については、都民への十分な情報の提供と、都民同士、都民と都行政間、都民と都議会間の十分な議論を行った上で住民投票を実施し、広くコンセンサスを得ながら都政を進めるべきと考えております。住民投票制度についてのお考えをおきかせください。

ご回答

 私は、都政のあらゆる場面で市民参加をすすめ、都政を開かれたものに変えていきたいと考えています。住民投票制度はその一つの方法として大変重要なものです。住民にとって重大な問題や身近な問題について、住民自身が選択・決定するのは、民主主義の基本精神です。住民投票制度は、決して代議制民主主義と矛盾するものではありません。ただし、政治的争点のすりかえに利用される可能性もあるので、賢明な判断も必要になると考えています。

 

質問2
 私たち都民の多くは原発で作られた電力の消費者として、原発事故によって被災された方々に市民として可能な範囲で様々な支援活動を進めて参りました。私たちは東京都に原発事故によって被災された方々に積極的な支援をして頂きたいと考えております。東京都としてどのような支援が可能と考えておられますか。またそれをどのように実現されますか。

ご回答

 東京都として、「原発事故子ども・被災者支援法」の趣旨に沿って、原発被災者に対する実効性のある支援策が行えると考えています。具体的な支援内容は次の通りです。①福島の子どもたちの被ばくを低減させるため、保養プログラムや移動教室の受け入れなどを支援します。②国に統一的な健康診断と医療支援の体制を求めつつ、それが実現するまで、都として健康診断と支援事業を行います。③避難者が、帰還ではなく避難継続を選択した場合にも、借り上げ住宅の期間延長や移動費用、就職支援、相談・情報提供業務などを行います。④帰還が困難とされた都内在住の原発事故被害者については、生活再建支援のために、国の支援対策に加えて自治体独自の支援をします。

 

質問3
 現在、日本の原発はすべて停止しています。電力最大の消費地である東京都へ電力を供給してきた東京電力 柏崎刈羽原発・東京に最も近接している日本原子力発電 東海第二原発等の再稼働の是非についてどのように考えておられますか。またそれをどのように実現されますか。

ご回答

 柏崎刈羽原発、東海第二原発も含め、すべての原発について再稼働すべきでないと考えておりますので、その実現のために全力を尽くします。東京都は、電力の最大の消費地であり、また、東京電力の大株主でもあるので、その経営に対しては大きな影響力があります。そうした立場から、東電の株主総会で福島第一原発、福島第二原発、柏崎刈羽原発の全炉の閉鎖を提案するとともに、同社に脱原発政策推進のための取締役を派遣したいと思います。原発再稼働を止める最大の力は、人びとの運動であり、世論の高揚です。都知事として、そうした運動に連なりつつ、また新潟県の泉田知事などとも連携をとりながら、国に対して「脱原発」を求める取り組みを進めていきたいと思います。


質問4
 政府が「エネルギー基本計画」において原子力をベース電源と定める閣議決定をしようとしています。これに対してどのようにお考えですか。

ご回答

 原子力をベース電源と定める「エネルギー基本計画」には反対です。日本が進むべき道は「脱原発」であり、原子力発電から一刻も早く撤退することです。そのために、東京都として、自然エネルギーを含む新規電源の大規模導入に努めるとともに、節電計画を作り、実施していきたいと考えています。具体的には、電力・エネルギー利用の効率化に補助金や投資を誘導する施策を立案し、自然エネルギー(再生可能エネルギー)促進条例を提案します。また、都民の参加を求めて、大規模な都独自の節電計画を作成し、実施するとともに、隣接県などと協力して、都民との共同出資で風力・地熱・潮力・小規模水力などの研究を進め、発電事業を興したいと考えています。